寄稿『医療的ケア児就学事例集2022』
kanazawa
医療的ケア児の就学事例集
都:お子さんの入学先決定の手続をできれば早められるよう区市町村教育委員会にお願いをし、通知を早めて、就学相談の中でモデル事業の説明を行います。
そこで保護者の意向を聞き、モデル事業の参加同意を得るプロセスを経ています。
それから関係施設(保育施設・療育施設など)と協力し、お子さんの様子を看護師や教員が観察しに行きます。
どのお子さんも個別の医療的ケアマニュアルは作成するが、それも入学前に前倒しで行います。
これまで、学校公開に参加した際に、お子さんの状態を把握するなど、入学前に何らかの取り組みをしている都道府県はありますが、教育委員会としてここまで大掛かりにやっているところはないのではないかと感じています。
ア:就学前に看護師や先生方がそこまで動くというのは、難しい面もあるかと思います。
どのような工夫を行ったのですか?
都:看護師を増員するなど、人的規模の拡大は必要でした。
しかし、令和3年度の本事業の予算額は約1千万円となっており、必ずしも大きな予算が必要だというわけではありません。
本モデル事業に関しては予算がかからない、小さな工夫や丁寧な関係づくりなどを通じて実行が可能です。
【モデル事業を進める中での課題】
ア:入学前の準備に関して、課題などはありましたか?
都:外部に対し説得力のある説明を行うことが難しいと認識しています。
これまでも、施設様に対して、なぜ付き添い期間が長くなるのか、必要になるのかを1件1件出来る限り説明してきました。
そういった活動の中で、施設様の理解を得ないと市区町村教育委員会も含めて進めないと実感しています。
ア:関係機関のご理解を仰ぐところが課題なんですね。