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はじめに(医療的ケア児就学事例集2022)

kanazawa

アンリーシュを開けば、全ての情報が集まっている

この事例集は、たくさんのご家族の声からスタートしました。

私たちNPO法人アンリーシュは、医療的ケア児とその家族に役立つ情報を日々発しています。

4年前に団体を設立した当初、医療機器を使いながら生活している子どもたちの子育て情報に、公式なものは殆どありませんでした。

そのため私も含めご家族は、他の家族が書いた個人ブログを頼りに、

  • 自宅にどうやって医療機器を配置したらいいのか
  • 旅行に行くときは、どんな準備が必要なのか

といった、生活に必要な情報をかき集めていました。

そんな情報不足の解消を目的に、「アンリーシュを開けば、全ての情報が集まっている」状態を目指して、私たちはたくさんの当事者家族と一緒に、ひとつひとつ丁寧に記事や動画を制作してきました。

活動開始から4年が過ぎた今、医療的ケア児の子育て情報を発言する場は増え、家族同士も繋がりやすくなったと感じています。

それぞれの家族が自身を持って子育てを行い、上手くいった方法や工夫をシェアするようになりました。

しずつ情報不足が解消していく一方で、相変わらず深刻な相談を受け続けている領域がありました。

そのひとつが、就学です。

地域差やお子さんの個別性も大きく、ご相談に十分に応えられないもどかしい毎日でした。

その中で私たちは2021年4月に「医療的ケア児の就学に関する委員会」を設立し、様々な立場の方に話を伺い、多方から問題を見つめることからスタートしました。

その結果、教育現場では医療的ケア児を受け入れた前例があっても、その情報の共有が追いついていないという現状をしりました。

この問題を解決するため、私たちはこの事例集の作成に乗り出しました。

学校での医療的ケア児受け入れ事例を取材し、一冊にまとめることで情報共有の第一歩にしたいと考えています。

この事例集は、当事者家族・教育現場・医療現場など様々な視点から成り立っています。

この事例集を活用することによって、当事者家族にとっては、就学に関する全体の流れを知り、適切な機関に繋がるきっかけとなります。

また、自治体や学校との詰し合いの際、共通資料として活用して頂くことが可能です。

また教育委員会・関係各所においては、他自治体の取り組みを知り、自自治体の取り組みに活かすことができる。受け入れに必要なマニュアル・資料をご活用頂くなどを想定しています。

この活動全般を通して、医療的ケア児のみでなく、様々な個性のある子への教育体制構築の一助となれば幸いです。

特定非営利活動法人アンリーシュ

代表理事 金澤 裕香

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