事例紹介(練馬区)(1)『医療的ケア児就学事例集2022』
kanazawa
医療的ケア児の就学事例集
⑥会議体の運営
総括的な管理体制構築のため「練馬区特別支援教育推進委員会(表1)」を経て、「練馬区立小中学校・保育園・幼稚園などにおける障害児等支援方針」を定めました。
当時3つの医療的ケアの項目を定めました「1.たんの吸引(気管内吸引、気管切開部の処置)、2.経管栄養、3.導尿(間欠的)」。4つめの「血糖測定、インスリン注射」は、モデル的に導入しています。
【医療的ケア児の就学状況】
①医療的ケア児のうけいれ開始の経緯
平成26年度の就学相談(平成27年度入学)で、たんの吸引を必要とする医療的ケア児とご家庭より、区立小学校就学の希望があり就学相談が開始されました。
入学前年度から、教育委員会(就学支援係担当者、看護師)と保護者で打ち合わせ・保育園での顔合わせや来校面談を行い、受け入れ方法の検討を重ねました。同行受診により主治医にも書類作成等の指導を頂き、通学を開始しました。翌年度からは、毎年1~2人の医療的ケア児を受け入れています。
②医療的ケアの体制整備
就学前年度に、看護師が、知人の障害児ご家族からご紹介を受け、呼吸器ユーザーが当時通学中だった区外の3校の見学と担看護師とご家族への聞き取り調査を行いました。東京都下の小学校へは就学相談係担当者と学童クラブ担当者とも見学に行き、先行する自治体の取り組みやノウハウを参考にして、医療的ケアの体制備に着手しました。
成功している事例でも、看護師さんに話をきくと悩みも多く、持続可能な医療的ケアの体制整備のポイントは「看護師が安心して安全に医療的ケアが行える体制」と「人員の確保」である事がわかりました。
その為には、医療的ケア児の健康状態等に関して保護者と看護師が直接会って申し送りや相談が行える必要があると考えました。